お気に入りの飲食店のオーナーが店を辞める。

昨日は子供のキンダーの最終日であり、同時にカナダに来て2周年の日でもあった。

カナダに来る前の京都に住んでいた頃、家の近くにあったバインミー屋さんのことが大好きだった。
そしてバンクーバー都市圏にやって来て、このまちでも好きなバインミー屋さんが見つかるといいなと思って最初に行ったお店があった。
とくに期待していなかったけど、そこがとてもおいしくて、すっかりファンになった。それ以来夫とともに1,2週間に1度くらいは食べている。ベトナミーズの店主も、気がつけば我々のことを覚えてくれたようだった。

昨日、ランチに頭に浮かんだのはいつものバインミー。子供の夏休みが始まる前に食べておくか〜というくらいの軽い気持ちだった。
そして夫もなぜか「今日はバインミーだ」と思っていたようで、流れるようにいつものお店へと向かう。店頭に貼られていたのは「事業譲渡します」の紙だった。

店主に詳しく話を聞くと「先のことは決めてないけど、もう10年やったから新しいことをしたいから店を引き継ぐ」とのことだった。
我々はいつも通りのメニューを食べて、2度も握手して、感謝を告げた。

これまでそんなに深い話をしていたわけではないし、ていうか私はほとんど話してなかったけども、それでも自分でも気づかないうちに「今までありがとう!」と言えるような関係性になれていたのが嬉しかった。これが2年という年月なのだな。

この日、なんの気無しにバインミーを食べに行ったけど、あと1日遅ければこの店主にさよならを言えなかったことを考えると、本当に間に合ってよかったと思う。
それが子供のキンダー最終日で、カナダ2周年の節目の日だったとなると、なんとなく運命的なものを感じてしまうのだった。

つい一年前には「カナダに対する気持ちはフラット」なんて思っていたけれども、最近は自分の街のことけっこうええやん!って思うことが増えてきた。
やっと文化や言語に慣れてきただけかもしれないけど、こうやっていつの間にか馴染のお店ができていたからなのかもしれない。

バインミー屋の店主の話に戻ると、とくに寂しい・残念だという気持ちはなく(飲食店ビジネスの事業譲渡なのでお店自体は続くし)、ただただ元気であってほしいな、と思う。カナダを離れて私の想像も及ばないことをするのかもしれないし、案外すぐ近くにいるのかもしれない。他人の人生を考えるときに広い世界にまで思いを馳せてしまうスケール感はカナダならではだな、と思う。

10年やると別のことをしたくなってくるよね。私自身も京都に10年住んで働いて、そろそろ満足したから別の世界を見てみたい、と思ってカナダにやって来たわけだし。

そうなるとカナダに住むのもなんとなく10年くらいになるのかもしれないな。まあ、ビザ的に住めるかどうかはさておき……。


筆者:yulily(ゆりりー)
2023年6月末から夫と娘(2019年生まれ)でバンクーバー郊外に住んでいます。
ブログでは子連れでの海外移住やカナダでの暮らしのことについて書いています。